そろそろハイパーゼットンになりたい

口に出したら角が立つ棚卸し

わたしたちに許された特別な時間の終わり

twitterで限定公開されているのを知って、しっかり時間を作って観なきゃと思っていたこの映画。

 

映画「わたしたちに許された特別な時間の終わり」 監督:太田信吾 

 

 

 

自殺したミュージシャン

才能はないけれど純粋に音楽を愛する後輩

否定しつつも帰る地元や頼れる場所

 

概要にしてみるとセンセーショナルだけど映像作品としては割とありがちな話。ドキュメンタリー部分にも演出はありながらも、フィクションだとしたら、彼が死ぬと分かっていたら、絶対にぶつけない言葉が多すぎる。そういう意味でとてもリアル。

だから私には心当たりがありすぎて冷静には観られなかった。

 

 

才能に溢れていたのか、 売れるには足りないからああなったのか

すっぱり諦めて就職する決断は間違ってたのか、楽しむだけでいいといいながらモラトリアムを引き伸ばしたから彼は生きていられたのか

彼の「才能」を本当にまわりは認めていたのか

不安定な彼を適当にあしらう時に疎ましく思ったりしてなかったか

そんな答えの出ない疑問がいくつもあって、

 

彼が死んだのは自分のせいじゃないですよね?ってわざわざ念押しのように聞きに行ったり、

音楽をすっぱりやめて子どもに服買ってやりたいって言ったり女の子を叱り飛ばすのは

生きていないと出来ないよなって思ったり。

 

何の答えもくれないし、思い出したくないことまで思い出して苦しいけど、

そんな苦しみは自分のものだけじゃないということだけは共有してくれるピアサポートのような映画。

 

亡くなったひとの残した言葉は時に呪いのようにつきまとうから、

私はお前は真っ当に生きろよって言われたのをいろんな分岐点で思い出してきたし、監督はハッピーエンドの形をずっと模索したんだと思う。

 

それでもステージに立ってる姿や歌は、どんな姿を見た後でも素敵だね。